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憧れの車にかっこよく乗りたい~貧乏学生の名車再生?~

こんにちは。私は車高が低くてかっこいい車に乗りたい!ドリフトなどのモータースポーツもやってみたい!という気持ちが免許を取る前からありました。私以外でも車が好きな若者で、このようにと思う人は少なくないでしょう。しかしながら、金銭的な問題からあきらめる人が多いのが現実です。

そこで今回は、学生という金銭的な余裕のない立場である私がボロボロの車から、「綺麗で楽しい車」をつくりあげるまでを紹介します。

車両選び

私には、子供のころから憧れている車がありました。それは「リトラクタブルヘッドライト」のついている車です。リトラクタブルヘッドライトとは、通常のヘッドライトが固定して取り付けられているのに対して、消灯時はボンネット内に格納し、点灯時のみポップアップする動くヘッドライトです。

点灯時のリトラクタブルヘッドライト

点灯時のリトラクタブルヘッドライト

消灯時のリトラクタブルヘッドライト

消灯時のリトラクタブルヘッドライト

リトラクタブルヘッドライトが生まれたのは、
①車体前方の高さを低くすることによる空気抵抗の減少
②法規制によるヘッドライトの最低地上高
この2つを両立させるためです。

実際、北米ではS13シルビア型の240SXやAE86のカローラスポーツ(日本におけるカローラレビン)は、固定式のヘッドライトでは地上高が低いために法規上の認証が取れず、リトラクタブルヘッドライトを装着して販売されていました。

しかしながら、リトラクタブルヘッドライトを装着している新車はもうありません。これは衝突時の歩行者保護において突起物となり危険であることや、車体のフロントオーバーハングの重量増による運動性能悪化が理由として挙げられます。このことから、リトラクタブルヘッドライトは主に80~90年代に販売された一部の自動車に搭載され、時代とともに消えていったものだといえます。

私がリトラクタブルヘッドライトの車に乗りたい理由は、運転していると90年代当時の雰囲気に浸れるからです。90年代の車に乗り、90年代に流行った曲を流しながらドライブするのが憧れでした。(筆者は95年生まれで当時を実際に知っているわけではありません。)

90年代、リトラクタブルで探すとトレノ・スープラ・RX-7・180SXあたりに絞られてきます。しかしながら2018年の現在において、これらの車種はすべて車体価格が高騰しており、なおかつ自動車税・保険料などの諸費用も学生にとっては超高額になっています。車の知識がまったくなかった私は、上記にあげた車種のなかでも比較的車両価格が安く、アフターパーツの多い180SXが気になり調べるようになりました。

180SXはドリフト等の競技車としてはもちろんのこと、最近の流行である“スタンス系”のシーンにおいてもよく見かけます。スタンス系とはスタンスネーションというアメリカのサイトが発祥で「車高、足回りがキマっている様々なジャンルの車」であり、かっこよく足回りが決まっていればどんな車種でもOK!というカスタムです。

日本でもスタンスネーションジャパンというカーショーがあり、このイベントに向けて車を改造する人もたくさんいます。私はこのStanceNation.comで取り上げられている青い180SXに憧れてしまい、180SXがとても好きになりました。

また、180SXはFR・ターボ・低価格ということで昔からドリフトベースに使用されてきました。そのため多くの競技用パーツや補修パーツの需要が高く、色々なアフターパーツが販売されているため乗り続けることには困りそうにありません。(不人気車やマイナー車は純正部品やアフターパーツが手に入らず、泣く泣く廃車ということも少なくありません。)このように部品が安く、カスタムや修理がやりやすいところも魅力的でした。

憧れの180SXに乗るまでにかかった費用

私が購入した時の180SXの相場は中古車屋の乗り出し価格で約70万~100万円でした。私は学業の合間にアルバイトをして月7万円くらいずつお金を稼いでおり、単純計算で1年間に稼ぐ金額は7万×12ヶ月=84万になります。

他に維持費は毎年自動車税・任意保険料がかかり、2年ごとに車検と自賠責保険・自動車重量税がかかります。180SXの場合、初年度登録から13年以上経過している車となりますので通常の自動車税より高額になり任意保険料も古いスポーツカーなので高額となります。(任意保険料は対人対物無制限・車両保険なし・その他特約有りという条件で私が契約している金額です。)ガソリン代や各種消耗品代を除いても最低年間約19万円かかります。そのことを考えると、180SXは中古車屋ではとても買えるような車ではありませんでした。

しかしながら、私は個人売買や訳ありの故障車・事故車であれば相場よりかなり安く買うことができることを知ったため、インターネットや知り合いの呼びかけなどにより約3ヶ月かけて30万円の180SXを見つけることができました。30万円であれば上記の維持費を加えても約50万円にしかならないので、アルバイトしか収入源のない学生であっても現実的に維持ができると考えました。

購入時の180SX

購入時の180SX

この180SXは機関は良好でしたが、社外のエアロやフロントフェンダーはへこみや割れがあり、ドアの塗装が劣化で剥がれ落ちているなど、外装は安いなりにボロボロでした。他にも消耗品が劣化しているなど年式相応の状態となっていました。お世辞にも綺麗でかっこいいとはいえない…そんな状態です。

きれいでかっこいい車にするためには

まず私がかっこいいと思う車を実際に見てみたいと思い、180SXなど古い車の置いてあるカスタムカーショーを見に行きました。私が見に行ったのは10月24日に常滑りんくうビーチで開かれた「USDM GEEK」というイベントです。

このイベントはアメリカで行われているカーイベントの雰囲気を体験できるイベントで、実際の北米仕様車や、逆輸入車、180SXやシビックのUSパーツを用いた改造車などを誰でも近くで見ることができます。選考によって選ばれた車が展示されているだけあり、すべての車にこだわりやセンスの良さを感じました。

展示するイベントのカスタムカーの流行がスタンス系なこともあり、足回りやホイールがキマっている車が多いです。アメリカでよく走っているピックアップトラックをはじめ、シルビア・シビック・スープラの北米仕様車や、ポルシェやワーゲンなど欧州メーカーの北米仕様車などもありました。

USDM GEEKの会場の様子

USDM GEEKの会場の様子

このイベントの中でも綺麗にかっこよく作られて、ヤバめの180SXがこちらになります。

綺麗でかっこよく仕上がっている180SX

綺麗でかっこよく仕上がっている180SX

外装は180SX後期純正のまま、車高を落として、リムの深い太いホイールをツライチになるように履いています。また、内装はダッシュボードカバー・ステアリング・シフトノブ・シートをすべて茶色に変更してあり、統一感を感じました。

リベット止めでワイド化された180SX

リベット止めでワイド化された180SX

バンパーやリップスポイラーは180SX前期純正ですが、貼り付けフェンダーがリベット止めされており、超ワイドボディーになっています。ウィンカーやリアガーニッシュ、サイドマーカーに240SXのパーツが使われています。こちらも車高を落として、リムの深い太いホイールをツライチになるように履いていました。

イベントに出展されるような車を近くで見ることで、綺麗でかっこいい車を作るのに必要な共通点を見つけることができました。一つ目は、外装と塗装が綺麗であること!展示されている車にはエアロが割れていたり、塗装がはがれていたりするような車はありませんでした。年式の古い車であっても外装のコンディションがよければ新車にも見劣りしません。

二つ目は、ツライチであること!ツライチとは広義ではフェンダーの端とタイヤ・ホイールの面が一致することです。私がかっこいいと思うのは、フェンダーアーチとホイールのリムがギリギリまで近づけられたツライチです。スタンス系のカスタムカーではフェンダーアーチとリムの間に紙切れ1枚しか入らないほど隙間をなくしている車両もあります。このようなツライチにすると、車高もかなり低くなります。

タイヤとフェンダーが「ツライチ」の状態

タイヤとフェンダーが「ツライチ」の状態

タイヤとフェンダーが「非ツライチ」の状態

タイヤとフェンダーが「非ツライチ」の状態

ツライチでなくホイールが中に入っていることを“電車”と呼ばれることもあります。

三つ目は、太く、かっこいいホイールであること!ホイールは太くなるほど重量は増え、パワーに見合ったサイズでなければ車の運動性能は劣ります。しかし、太く、ワイドであるほど車の迫力はあがりかっこよくなると私は思います。

以上の3点が、イベントで見たかっこいい車のようになるために必要な共通点であると考えます。これ以外にも、US風にしたいならUS専売パーツやアメリカの小物を置いたり、90年代風にしたいなら当時流行ったホイールや小物をつけたりすることで雰囲気を近づけることができます。自分の中でカスタムのテーマを決め、“統一感”を出すことがかっこいい車作りには重要だと思います。

自分の180SXをきれいでかっこいい車にDIYする

はじめに行ったのは、180SXでツライチにするには、最大でどんなサイズのホイールが履けるのか考えました。(純正フェンダーで入る最大サイズです。)ホイールサイズを計算する上で必要となる情報は、ホイールの外径・幅・オフセットです。

ホイールの外径は主にインチで表されます。純正サイズからインチアップするほどタイヤの扁平率を下げて、タイヤを組み込んだときの外径が純正の値と変わらないようにしなければなりません。ホイールの幅もインチで表され、一般に~Jと表示されます。

ツライチを目指すにあたって特に重要となる値はオフセットになります。オフセットとはホイールの中心からハブとの接触面が何mmずれているかを示しています。すなわち、オフセットの数値が低いほど車体外側にホイールがでて、オフセットの数値が高いほど車体の内側にホイールが入っていくと言えます。

オフセットの数値が大きすぎるとサスペンションと接触して取り付けられないことがありますので注意が必要です。また、ボディより内側にホイールが入っているとあまりかっこよくありません。逆にオフセットの値が低すぎると、フェンダーからはみ出したり、ハンドルを切った際にボディへ干渉してしまうなど問題がおきます。

ホイールにおける寸法の名称

ホイールにおける寸法の名称

私の180SXのリアフェンダーを例にツライチ計算してみましょう。(フェンダーのツメ折り加工済み)計算するのに必要なのは、知りたい車体と幅、オフセットの分かるホイールがあれば可能です。

今回使用するホイールは17インチ・幅7J・オフセット+38のホイールです。このホイールを取り付けた状態でフェンダーアーチからホイールの面までの距離を測定すると約55mmでした。ここまでの寸法を分かりやすくするため、図に示します。

ツライチに必要なホイール幅

ツライチに必要なホイール幅

この画像は、180SXへ7J+38のホイールを取り付けた際の寸法とその値から算出した9.5Jの場合の寸法を表しています。フェンダーアーチからハブとホイールの接触面までの距離が分かれば、ツライチに必要なホイールの幅とオフセットを計算することができます。(ホイール中心線からフェンダーアーチまでの距離)-(オフセット)から計算することができ、その値は(88.9+55)-38=105.9mmとなります。フェンダーアーチからハブとホイールの接触面までの距離は約105mmだと分かりました。

この105mmを使えば幅あたりのツライチになるオフセットが以下のように求められます。(幅J×25.4)÷2-105=(幅に対してツライチに必要なオフセット)
【9Jの場合:(9×25.4)÷2-105=9.3mm】
【9.5Jの場合:(9.5×25.4)÷2-105=15.65mm】
【10Jの場合:(10×25.4)÷2-105=22mm】
ツライチとなる幅、オフセットが分かったので早速、ホイールを購入してみました。太いホイールがかっこいい車の共通点にあったため、リア用には9.5J+15と10J+22の2種類のホイールを買いました。

1つ目はWork Emotion CR 極の9.5J+15です。

Work Emotion CR極の9.5J+15の装着

Work Emotion CR極の9.5J+15の装着

計算で行ったとおりにフェンダーアーチとホイールのリム部分がツライチになってくれました。リム部分でツライチにするためかつ、外径を小さくするためにタイヤサイズは225/35R18を選択しています。XL規格に則り適正な空気圧を入れております。

2つ目はWork Equipの10J+22です。

Work Equipの10J+22の装着

Work Equipの10J+22の装着

こちらも計算どおりにツライチとなってくれました。

私の車を綺麗でかっこいい車に近づけるためには、あと外装と塗装をきれいにしなければいけません。外装に関しましては、ネットオークションなどを通じて180SXの後期純正パーツを入手することで解決しました。

しかしながら、塗装に関しましてはプロの塗装屋さんに頼むと、全塗装で約20万円以上かかります。貧乏学生である私にはそのようなお金は当然ありません。

時間・エアツールを使える環境・広い場所だけはそろっていましたのでインターネットで調べながら全塗装をしてみました。用意したのはプロが使うものと同じである2液型ウレタン塗料です。素人でも他の色に比べてムラの出にくいソリッドのホワイトを選択しました。ひび割れや凹みのあったフェンダーは溶接やパテ盛りによってある程度修正して塗装を行いました。

フェンダーの修正

フェンダーの修正

下地処理などの塗るコツはインターネットを調べるとたくさん出てくるのでここでは割愛いたします。

青空塗装をする上で私が最も大切にしたのは、「気温・湿度・天気・時間・風」といった気象条件です。青空塗装で失敗する要因を見ていると、湿度が高く色がくすんだり、風で砂がついたり、虫がついたりといったものが多かったです。

そのため、風はまったく吹かない朝方の6時位から、気温が朝から17度以上あり、湿度が低く、天気は快晴という条件の日のみ探して色を塗りました。この条件の日が来るまで塗料が届いてから何日も待ちました。

全塗装後の様子

全塗装後の様子

ここまでで綺麗でかっこいい車にある共通点の3つは抑えることができました。私のDIYによりできた車がこちらになります

現在の180SX

現在の180SX

購入時と比べて、ボロボロだった外装はそれなりに綺麗にすることができました。しかし、バンパーが後期純正なのに対し、サイドステップは中期純正のままです。これも後期純正に変えることで全体の統一感をもっと出すことができるようになるのではないでしょうか。

最後に

私は大学に入るまで車について詳しくありませんでした。しかしながら、ボロボロの180SXを買って修理とカスタムをすべて自分でやっていくうちにどんどん車のことを学ぶことができました。

大事なのは最初の一歩を踏み出す勇気です。自分でできることを自分でやれば維持費はそんなにかかりません。古い車やスポーツカーに憧れている人がいるならば、ぜひ若いうちから乗りましょう!このコラムが皆さんの参考になれば幸いです。
執筆:岐阜大学自動車部

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