ヨーロッパの自動車事情

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こんにちは。岐阜大学自動車部です。 今回のコラムでは、ヨーロッパの自動車事情について紹介します。

ヨーロッパとひとくくりに言っても、自動車大国ドイツ、人気自動車番組「Top Gear」を配信するイギリス、フェラーリなどの高級スポーツカーの生産国イタリアなど様々な国が存在します。

フォルクスワーゲンと街角

フォルクスワーゲンと街角

1.ヨーロッパの自動車

私たち日本人がヨーロッパの自動車と聞いて、まず初めに思い浮かべるのはどこのメーカーなのでしょうか? 実際に日本での2016年度輸入車新規登録台数をメーカー別にみてみましょう。

1位:メルセデスベンツ(6.7万台)
2位:BMW(5.0万台)
3位:フォルクスワーゲン(4.8万台)
4位:アウディ(2.9万台)
5位:MINI(2.5万台) 

この後にボルボ、ジープ、プジョー、ポルシェが続きます。 日本を走っている輸入車の、ほとんどがヨーロッパのメーカーであることが分かります。 それではヨーロッパ27ヶ国での登録車台数を、メーカー別にみてみましょう。

1位:フォルクスワーゲン(294万台)
2位:PSA[シトロエン、プジョーなど](184万台)
3位:ルノー(141万台)
4位:フォード(136万台)
5位:GM(120万台)

この後にフィアット、BMW、メルセデスベンツが続きます。 日本と比較すると、メーカー別のシェアに大きな違いがあることが分かります。 しかし日本人が輸入車に求めるものには、性能やデザイン、ブランドなどの比較的高級な車種が多く含まれていることを考慮しなくてはなりません。

ヨーロッパで最も一般的なのはやはりフォルクスワーゲン、シトロエンなど大衆車メーカーのようです。 なかでも現在ヨーロッパで一番人気と言われている車種は、フォルクスワーゲン・ゴルフです。

フォルクスワーゲンⅥ 2008年頃モデル

フォルクスワーゲンⅥ 2008年頃モデル

ゴルフのスペックは、最新の一般的なグレードですと、 サイズはおよそ4200mm×1800mm、 1.2リッター直列4気筒ターボエンジン、 105ps・17.8kg/m です。 日本で現在一番人気があるといわれている、トヨタ・プリウスと比較すると幅が少し広くエンジン性能は少し高めです。

しかし、大きな違いが現れるのはエンジンの排気量の大きさです。 ゴルフとプリウスの比較場合では、ターボの有無も問われますが、排気量がポイントです。

日本では、一般的に余裕のある走りをするための比較的大きな排気量のエンジン(1.8、2.0リッター)が、好まれます。 しかしヨーロッパでは小さな排気量(1.2、1.4リッター)のエンジンが好まれているようです。

これには自動車税を安く抑えるためという考えも大きいですが、トランスミッションのAT・MTの違いが大きな要因の一つになっています。 MT車では任意にエンジンの回転数を変更できるため、合流などのシーンでも不自由なく走行することができます。 どうしてMT車が多いのかということについては、次章で深めていきましょう。

2.ヨーロッパの人々の自動車に対する考え方

現代の日本では若者に自動車離れが危惧されているように、自動車に対する関心が薄れているように思えます。 (現に、近年の大学の自動車部では部員の過疎化が深刻です!)

日本人が自動車に関心があることといえば、燃費や快適性、デザインや価格などでしょう。 多くの日本人にとって自動車は「移動手段」というひとつのツールに過ぎないのです。 これに対してヨーロッパの人々の自動車に対する考え方には、日本とは大きな違いがみられます。

このことを数値的に示しているのが、ヨーロッパを走る自動車のMT車の比率だと筆者は考えます。 現在ヨーロッパを走る車のうちMT車は7~8割だといわれています。 実際に信号待ちなどで停止している自動車の車内を覗き込むと、その大半のシフトノブにはシフトパターンが刻まれています。 もちろんお年寄りや若い女性が運転している車にも同じことが言えます。 AT車の大半を占めるのが、高級車またはアメリカメーカー製の車です。

ヨーロッパの人々がMT車に乗る理由はいくつかあります。 大きな理由の一つが燃費や走行性能が優れていることです。 燃費に関しては、ガソリン価格が非常に高いヨーロッパでは重要な要素で、AT車はMT車に比べて車両価格が高いうえに燃費も悪いというイメージを持つ人が、現在でも多くいます。

次に走行性能に関しては先ほど述べた通り、エンジンの回転を任意に変更できるため、自分が思った通りの運転ができるということが好まれます。 そして何しろ、運転を楽しみたいという考えが強いです。 このことは日本に比べて、ヨーロッパではモータースポーツが非常に人気なことからも読み取ることができるでしょう。

その他の理由として挙げられるのは、ヨーロッパの人々は自動車を大切にするということです。 日本人が1台の自動車を使用する期間は、およそ7~10年です。 生活環境の変化や高額な修理代が発生すると、乗り換えてしまうことが一般的です。 一口にいうと日本人にとって自動車とは「乗り潰す」ものなのです。

対してヨーロッパでは、自動車とは修理して乗り続けるものであるという考えが強いのです。 10年落ち、15年落ちの自動車に乗り続けることは当たり前で、特に都心から少し離れた郊外の町では年季の入った自動車を多く見かけます。

ヨーロッパの歴史ある街並みがよく似合います

ヨーロッパの歴史ある街並みがよく似合います

したがって、ATの技術が現在ほど発達していなかった時代の自動車にはMT車が多く、現在でも走り続けています。 加えて、新車を購入する際も長期間乗ることを前提としているため、ATよりトラブルの少ないMTが好まれるのです。

余談ですが、ヨーロッパの道路では大型バイクでツーリングするライダーの姿を多く目することができます。 ガソリンの価格は高いものの、高速道路のほとんどの区間が無料であるため、遠くへ旅をするにはバイクが最適なのかもしれません。s

R 1200 GS とても大型なバイクです

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3.ヨーロッパの道路事情

ヨーロッパの道路で有名なものは、高速道路・アウトバーンでしょうか。 アウトバーンとはドイツ、スイス、オーストリアに張り巡らされた総延長1.3万キロの道路です。 制限速度がないことで広く知られていますが、実際に制限速度が無制限の区間は総延長の半分ほどです。

通行料金は原則として無料です。 しかし、ヨーロッパのガソリンには高い比率の税金がかけられていることを考えると、日本の高速道路料金は妥当な額なのかもしれません。

ヨーロッパの道路は都市部ではもちろん巨大な交通網が敷かれていますが、すこし郊外にはなれると、都市同士を結ぶ一本のまっすぐな道が多くなります。 大半の道は片側1車線対面通行で、両側を牧場に挟まれています。 まっすぐな道なのである程度走行スピードは速く、通行量は多めなので運転するにはある程度の緊張を強いられます。

郊外の歴史ある町では路面が石畳であることも珍しくありません。 路面には凹凸が多いためか、日本のように車高をさげたりホイールのインチアップをしている車はほとんど見かけません。 街中の道路は幅が狭く、なだらかな坂道になっている箇所が多いです。 また、駐車は路肩への縦列駐車が基本になります。 そのためゴルフやポロなどの比較的コンパクトな車でないと、街中をきびきび走ることは難しいでしょう。

家の敷地内ではなく路肩に縦列駐車することが多い

家の敷地内ではなく路肩に縦列駐車することが多い

4.ヨーロッパにおける日本車

ヨーロッパの街中では、しばしば日本車を見かけることができます。 しかしフォードなどのアメリカ製メーカーに比べると、販売台数のシェアは劣っています。 その理由の一つとして、ヨーロッパには日本車メーカーのディーラーが少ないことがあります。

日本車は世界中で人気といわれていますが、販売台数を占めているのはアジア圏や米国がほとんどです。

2016年EU27ヶ国のメーカー別新車登録台数でのシャア割合を確認すると、

1位:VWグループ 23.9%(フォルクスワーゲン・アウディ・シャコダ・セアト・ポルシェ等)
2位:ルノーグループ 10.2%(ルノー・ダチア)
3位:PSAグループ 9.9%(プジョー・シトロエン・DS)
4位:フォード 7.0%
5位:BMWグループ 6.7%(BMW・ミニ)
6位:オペルグループ 6.7%(オペル/ボグソル・シボレー・GM等)
7位:FCAグループ 6.7%(フィアット・ジープ・ランチア/クライスラー・アルファロメオ等)
8位:ダイムラー 6.2%(メルセデスベンツ・スマート)
9位:トヨタ 4.2%(トヨタ・レクサス)
10位:日産 3.7%
11位:現代(HYUNDAI) 3.4%
12位:起亜(KIA) 2.9%
13位:ボルボ 1.9%
14位:マツダ 1.5%
15位:ジャガーランドローバー 1.5%(ランドローバー・ジャガー)
16位:スズキ 1.3%
17位:ホンダ 1.0%
18位:三菱自動車 0.7%

この後に、スバル・ダイハツ等の日系メーカーが0.2%ほどのシェアです。 日本での圧倒的なシェアを誇るトヨタが9位に甘んじています。 日本メーカーの車だと、日産/キャッシュカイ(QASHQAI)か、トヨタ/ヤリス(Yaris)が奮闘しています。

キャッシュカイは、日本では販売されていないコンパクトクロスオーバーSUVです。 初代デュアリス(J10系)の後継車で、2014年からJ11系としてヨーロッパで販売されています。

ヤリスは、日本名ヴィッツとして販売されています。 欧州Bゼクメントに分類される、コンパクトカーです。

どうやら、道路事情や環境性能などを考えると、日本車でヨーロッパの人々のニーズを満たしている点が多くあるのはコンパクトタイプと言えるでしょう。 あとは、欧州好みのデザイン性を実現することでしょうか。 日本車メーカーの、今後の展開に期待したいところです。

トヨタ・ヤリス

トヨタ・ヤリス

~ おわりに ~

ヨーロッパの自動車事情、いかがでしたでしょうか。 日本と比較して、その土地や人々ならではの特徴がありますよね。 ヨーロッパと言っても、VW、ベンツにBMWの自動車大国ドイツや、フィアットが20%越えで圧倒的シェアを占めるイタリア、デザイン性豊かなルノーやプジョーにシトロエンのフランスと、国ごとに自動車に関して様々な特徴があります。

また生産台数は少なくとも、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニ、ロータス、アストンマーティン、AMG、ジャガー、ベントレー、マセラッティ等々の名車と呼ばれるスポーツカーブランドもヨーロッパ発が多いですよね。 他の国や、他の車種について調べてみるのも面白いかもしれませんね。
(執筆:岐阜大学自動車部)

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