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学生フォーミュラ走行会のお話

はじめまして。
横浜国立大学フォーミュラプロジェクト(YNFP)で、2016年度メンバーを務めました三枝です。

早速ですが、弊チームが参加している全日本学生フォーミュラ大会は、いくつかの審査があります。車両設計を問うデザイン審査、車両価格についてのコスト審査です。この2つが静的審査と言います。

そして、実際に車両を走らせ、車両性能を評価するのが動的審査です。

大きく分けると、この静的審査と動的審査に分けられています。動的審査が、合計1000点のうち675点を占めています。大会で多くの得点を獲得するためには、テスト走行を繰り返し、マシン、運転技術を成熟させるしかありません。

今回は、そんな学生フォーミュラの走行テストについて、お話させていただきます。

【準備】

YNFPでは、毎年3月中旬ごろに大会参戦車両が完成します。そこからシェイクダウンを行います。シェイクダウンで、問題が出なければ走行を積み重ねます。

そして、マシントラブルが発生しては、原因を突き止めては改善を繰り返し、マシンを成熟させていきます。

4月以降に入るとテスト走行を、開始していきます。テスト走行は、学校内や外部走行で行います。毎週日曜日に、学校内の直線部分をお借りして、走行を行います。

外部走行は、主にスポンサー様に、走行場所を提供して頂く場合や、自動車技術会主催で行われる走行会、およびFM関東主催の走行会に参加します。

【事前準備】

走行前には準備が色々あります。
車両準備としては、エンジン始動とアライメントです。エンジン始動では、動作確認および燃調確認を行います。アライメントでは、走行前に決めておいたシャシーセッティングに合わせます。

また、必要な準備としては、走行予定の作成があります。走行予定の作成は、各部門のリーダーの意見、運転するドライバーの順番、その他諸々の意見を吸い上げて作成します。

時間が限られてくる走行会では、様々な状況(マシントラブル、天候、欠員、等)を想定して、走行でやりたいことの優先度を先に決めます。時間の自由度が高い、プライベート走行では、参加メンバーの動き、各部門のやる事など事細かく決めます。

外部走行をする為に、遠征をする場合は、やることが増えます。車両運搬のためのトラックの手配、宿泊が必要な場合は、宿の手配も行います。

さらには、遠征に同行するファティカル・アドバイザー(付き添いの大人の方)を探すことから、参加メンバーの選出および、移動の車割、集合時間の設定(朝早く出発する時は渋滞等の考慮もあるから重要…)等々やることがたくさんあります。

やる事が、プライベート走行や、学内走行よりも多く、数人で手分けして色々な手配を済ませます。

車輛積込み

車輛積込み

【走行場所】

学内走行は、大学に走行許可の申請を申し込んで、大学内の道路の直線部分で走行を行います。対向1車線の、計2車線の道路です。ドライバー曰く結構狭くて怖いみたいです。

直線ですので、スキッドパッドのような定常円旋回はできない。周回走行に含まれるスラローム走行は可能です。

また、アクセラレーションのスタート練習や、学生フォーミュラの車検事項の1つであるブレーキテストの確認、さらに初心者ドライバーの習熟も学内走行で行われます。大きな走行会の前では、データ収集のためのセンサーおよび、新規搭載パーツの動作確認も行います。

校内でのスラローム走行練習

校内でのスラローム走行練習

外部走行会では、主に全日本学生フォーミュラ大会会場になっている、静岡県掛川市にある小笠山運動公園(通称エコパ)の駐車場や、静岡県富士スピードウェイの駐車場、栃木県ツインリンクもてぎ、といったレーシングコースの駐車場やカートコースを使用します。

大会会場でもある、エコパのP9で4月から月に1回程のペースで走行会が行われます。多くの大学が集まって走行を行うため、多くの車両が見られて楽しいです。この走行会は、大会の周回走行のコースで走るので、とても貴重な走行会になっています。

8月頭には、関西・中部・関東3支部合同での走行会が開かれるのですが、実際の大会での動きの予行練習になっています。

大体は、走行会の前日から、泊まり込みや、連日の遠征になります。朝3時に学校に集まり、日帰り強行軍を行うこともたまにあります。(一番しんどい)会場近くに、ハンバーグで有名な静岡県内のチェーン店『さわやか』があり、大会期間中は多くの学生フォーミュラ関係者で非常に混んでいます。

富士スピードウェイでは、国際サーキットのため駐車場は沢山ありますが、大体P1やP15で走行会が開かれます。大会コースを、作ることは出来ないですが、スキッドパッドのコースが、複数個作れる広さがあります。

また、オリジナルの周回走行コースを作って周回走行を行うようになります。昔は、富士スピードウェイで、3支部合同走行会が開かれていましたが、現在はエコパで行われています。

ツインリンクもてぎでは、北ショートコースを使って周回走行、アクセラレーションをおこい、駐車場でスキッドパッドを行っています。昔は、ツインリンクもてぎに遠征したときは、併設されている宿泊施設に泊まって頂きたいようですが、最近では日帰りの為、私は泊まった事がありません。

【移動~車検】

日帰り遠征の場合、早朝に学校に集合します。

普段は、5時~6時、早い時だと3時~4時に集合します。マシンを載せたトラック1台と、乗用車数台で出発します。横浜から富士スピードウェイに移動すると、ノンストップで運転すると1時間半で到着します。

エコパですと、途中休憩を挟んで3時間ほどかかります。行きは、元気があるものの、走行終わりで疲れた帰りの運転がとにかく大変です。7時前に、走行会会場に到着したらまずは、トラックや乗用車から荷物を積み下ろし、ピットの設営を行います。

また、最低限の人数で、技術車検に向けての車両チェックを行います。できるだけ手短に、ピット設営を終わらせるようにします。

また、他大学も集まってきた8時頃に全体の挨拶、諸注意事項についての説明が行われます。集会が終わり、次第車検受付の申し込みや、ドライバー&スタッフミーティングが行われます。

車検受付を済ませたチームから、順番に車検を行います。走行会では、大会本番ほど厳しくは見られませんが、燃料の漏れが無いかなどの最低限の安全については見られます。

また、場合によっては、大会時と同様の車検を受けることも出来ます。
車検が合格し次第、走行列に並ぶことが出来るため、早めに車検の申し込みを行って合格する必要があります。

車検通過までは、物凄い忙しくなります。ある意味、朝が一番の山場です。

ピット内の様子

ピット内の様子

【走行】

学生フォーミュラ大会の動的審査の競技種目は、ゼロヨンのような75mの直線のタイムで加速性能を競うアクセラレーション。

八の字の円を回って旋回性能を競うスキッドパッド。多くのコーナーと、短いストレートを組み合わせた、1周1kmの周回コースでタイムアタックを行います。

マシンの総合力を競う、オートクロスとオートクロスのコースを20周(10周でドライバー交代)してマシンの信頼性及び、燃費を競うエンデュランスの4種類です。

アクセラレーションは、直線があれば練習できますが、スキッドパッドはそれなりの広さのある場所でないと練習することが出来ません。幣チームでは、外部で走行を行って練習をしています(昔は学校内の敷地で定常円旋回を行っていたらしいのですが…)。

エコパなら、学生フォーミュラ大会本番の周回コース、それ以外ではオリジナルコースや、大会コースを模擬したコースで周回走行を行います。

特に、エコパでは走行本数が限られているので、事前にセッティングをどうするとか、ドライバーは誰をどのタイミングで乗せようとか、燃料をどのタイミングで入れようとか考えることが多いです。

プライベートでの周回走行は、大会直前になると模擬エンデュランスで20km分の走行をこなす事や、ドライバー練習や大会後には次期車両開発に向けてのデータ収集と、多くのやりたいことに時間を割くことが出来ます(車両が壊れない前提だが)。

疾走するマシン

疾走するマシン

【宿泊、撤収~解散】

泊りがけの遠征となると、走行会会場に近い所で宿泊を行います。夜の食事は、遠征の楽しみの一つでもあります。行きつけのラーメン屋や、外国料理屋で食事をし、体力をつけて本番に備えます。17時前に、走行が終わり次第撤収を行います。

遠征前の積み込みの要領で、テキパキやらないと帰りが遅くなる所に、高速道路の渋滞に巻き込まれたら更に遅くなるため、“なるはや”で撤収します。40~50分程でピットの撤収作業を終わらせ、帰宅の路に就きます。

おおよそ21時頃に、学校に着いて、トラックから荷降ろしして解散します。メンバーは、ヘトヘトだが夏休みの大会前になると、毎週のように遠征が続きます。

非常に楽しいですが、気付かないうちに体力を奪っていくので体調管理がとにかく重要になってきます。

【まとめ】

学生フォーミュラにおける走行は、参加費用、トラックのレンタル代、燃料代、高速道路料金と、多くの出費がかかります。

1回の、外部走行当たりおよそ5万円は掛かります。だからこそ、走行前に車両・走行予定と綿密な準備を行い、多くの出費を無駄にしないよう常に、有意義な走行を行えるように努めなければならないと自分は思います。

さらに、走行会では、車検から走行運営を行う大人のボランティアスタッフ、スポンサー様、そして、全てチームのメンバーのおかげで成り立っている走行会で、感謝の気持ちを忘れてはならないとも感じます。

走行会は、一般の方々も、見学ができますので、大会前の追い込みを行う各車両を見に行ってみては如何でしょうか。

緊張の走行開始直前

緊張の走行開始直前

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