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歯車のあれこれ

皆さんこんにちは、横浜国立大学フォーミュラプロジェクト駆動設計担当です。

今日のテーマは「歯車」です。恐らく、多くの方が馴染みのないものかと思いますが、実は身の回りの機械のあらゆるところで活躍しています。

自動車においても、トランスミッションや、ファイナルドライブをはじめ、パワーウインドウの駆動部分や、ワイパーの駆動部分にも使われています。

写真は、弊チームマシンと、搭載されているファイナルドライブです。

<マシン>

<マシン>

<ファイナルドライブ>

<ファイナルドライブ>

今回は、そんな歯車のあれこれを記載します。

歯車の概要

歯車とは、日本工業規格によって「歯を順次かみ合わせることによって、運動を他に伝える、又は運動を他から受け取るように設計された歯を設けた部品」と定義されている。

歯車は、ねじ、軸受、とならんで最も多く用いられている機械要素の一つであり、メカトロニクス製品などの、回転駆動部に広く使用されている。

歯車の主な特徴は、

(1)伝達力が大きく、損失が極めて小さい。
(2)回転速度を自由に選択できる。
(3)伝達する力の方向を任意に変化させることができる。

上記3点のような点が挙げられる。

さらに、歯車の伝達に関わる諸理論は、歯の大きさに依存しないことにより、極めて小さな動力伝達から、数万馬力の大きな動力伝達まで、統一的に扱うことができる。

具体的には、極めて小さな動力伝達を扱う機械として、時計の歯車、計測装置、化学装置などの精密機器に使われる歯車が挙げられる。大きな動力伝達を扱う機械としては、船用減速機などの産業機械の歯車を、挙げることができる。

前述したように、機械要素の中でも多く用いられていることは、このようなことが起因していると考えられる。

歯車の歴史

歯車の歴史は、かなり古い。そのため、歯車の起源について正確に説明することはできない。

確実な記録においては、2300年前、ギリシャのアリストテレスの「機械の問題」に青銅、鉄の歯車について記されている。ここには、当時すでに金属製歯車が、使われていたということが記されている。

しかし、この時点での歯車は、我々の想像する歯車の形とは程遠く、水揚げ車のような形をしていたと考えられている。このような原始的歯車装置は、今日でもエジプトや中国などで用いられている。

この約100年後、つまり2200年前には、同じくギリシャのアルキメデスがウォームギヤについて特記すべき業績を残している。この時から、徐々に我々の想像する歯車の形に近い形状をとるようになり、ここでは巻上機として利用されている。

また、エジプト アレキサンドリヤの、ハップスやヒーロンの記録には、1個のウォームギヤと、9個の互いにかみ合う歯車によって130kgの力で、2600kgの重力物をもちあげることができるという巻上機について述べられている。

中世(約800年前から1400年前)になると、歯車は主に時計に使われるようになる。13から14世紀(約700年前)になると、ヨーロッパ各地で、おもりで動く時計が作られ、使われるようになる。

しかし、このころはまだ歯車は特殊なものであり、ある程度普及したのは15世紀(約600年前)になってからである。それでも、一般家庭にはまだまだ縁遠いものであった。

15世紀後半になると、レオナルド・ダ・ビンチが現れ、特筆すべき業績を残している。例えば、歯車の種類においても、現在使われている歯車の原形が記録に残っているのである。具体的には、ねじ歯車、かさ歯車、ウォームギヤ、フェースギヤ、ハイポイドギヤなどである。

16世紀(約400年前)になると、歯車を組み込んだ様々な機構が考案されるようになる。特に時計については、時間間隔の正確さを求められることから、歯車の伝動の正確さが求められるようになる。この要求が、歯形の研究につながり、17世紀(約300年前)になると、歯型の理論的研究が始まる。

18世紀(約200年前)になると、産業革命を経て機械工業も発達し、歯車の製作方法の発展につながる。

現在は、その技術はさらなる発展を遂げ、単に回転運動や動力伝達のためのものばかりでなく、自動化機構やロボット等の複雑な動きにも活用され、その使用される領域が拡張されてきている。したがって、歯車には高い負荷容量をもつことや、高精度であること、効率が高いことなどの社会的要求が強く現れてきた。

このように歯車は、長い年月の間、絶えず改良されながら今日に至っており、今もなお、その改良は継続している。そして現在でも、機械部品の1つとして、重要な役割を果たしていることはいうまでもない。

歯車の種類および用途

歯車の種類は多い。歯車はその形状、用途、材質、その他、様々な種類に分けられるが、歯車軸によって分類すると、円筒歯車、かさ歯車、食い違い軸歯車の3つに分類できる。

(1) 円筒歯車:2軸が互いに平行である歯車
(2) かさ歯車:2軸が1点で交わる歯車
(3) 食い違い軸歯車:2軸が食い違っていて、平行でもなければ交わりもしない

この歯車の3つである。

(1) 円筒歯車

円筒歯車とは、歯車の外径の、形状が円筒形であることから、この名称がつけられた。これら1対の歯車の軸は平行である。円筒歯車の中でも、最も多く用いられている歯車が平歯車である。

平歯車とは、歯車軸が互いに平行であり、かつ歯すじが軸に対して平行な歯車のことである。平歯車は、形状が簡単であるために加工が容易である。したがって、他の形状のものに比べて、精度を高めることが容易であるため、極めて多く使われている。また、軸方向に力が加わらないという点においても、他の形状のものより優れている。

はすば歯車も、平歯車と同様、非常に多く用いられている歯車である。はすば歯車とは、歯車軸が互いに平行であり、かつ歯すじが歯車軸に対して傾いている歯車のことである。非常にうすい平歯車を、少しずつ位相をずらして重ね合わせたものと考えてよい。

歯のかみ合いが、なだらかに行われるため、かみ合い率が大きく、軸の回転伝達にむら少ない。また、1歯ごとのかみ合い変動が小さいため、騒音や振動も少ない。このため、騒音や振動を嫌う自動車の変速装置や、家電製品などに多く用いられている。

しかし、斜歯のために工作が難しく、歯切り工作をおろそかにすると、前述のような特徴を発揮できないことがある。なぜなら、理論上歯と歯の接触は平歯車と同様に線接触であるが、加工する際には、すばの角度に誤差が起こり、点接触となって接触応力が大きくなるため、歯車への負荷が増大するからである。

また、回転力を伝える際に、軸方向にも力が生じるため、回転力が大きい場合には、スラスト軸受を用いるなど、スラスト方向に生じる力への対策も必要となる。

やまば歯車は、はすば歯車の欠点と考えられる、スラスト方向に生じる力を無くすために、ねじれ角の等しい対象の歯付きをしたものである。スラスト方向に生じる力がなく、なめらかに動力が伝達できるという特徴をもっている。

しかし、これを工作する歯切盤は、工作するやまば歯車に中央ギャップが無い場合、形削り盤か総形底刃フライスによるほかなく、研削仕上げをすることが難しいことが欠点である。このため、歯幅の中央に中みぞを設けることで加工することを容易にしている。

こうしたやまば歯車は、現在多く用いられている。内歯車は、歯が円筒の内側にある歯車のことである。平行な2軸に取り付けるものであるが、外歯車と内歯車、それぞれの軸の回転方向が同じ方向になるという特徴がある。

また、他の歯車と比較して減速蔵置の小型化が容易であり、減速率の高い減速装置や遊星歯車機構では多く用いられている。

(2) かさ歯車

かさ歯車とは、相交わる軸の間に使われる歯車で、減速比は約6までの範囲である。かさ歯車においては、減速比はこれ以上高くとることは難しい。このかさ歯車を用いて、減速比を6以上にしたい場合には、円筒歯車と組み合わせて用いることが多い。

すぐばかさ歯車は、歯すじが円錐の頂点の方向に直線状になっているかさ歯車のことである。かさ歯車の中では最も一般的なものであり、比較的容易に製作が可能だが、使用に際して騒音が高いことが欠点である。主に、工作機械や印刷機械、差動歯車装置に使われることが多い。

<すぐばかさ歯車>

<すぐばかさ歯車>

はすばかさ歯車は、歯すじをつる巻き状にしたかさ歯車である。すぐばかさ歯車と比較して、歯のかみ合いが滑らかになり、騒音が少ない。

まがりばかさ歯車は、はすばかさ歯車と似ているが、歯すじは見た目にも分かるほどに曲線状になっている点が異なる。歯すじを曲線状にすることで、かみ合い率も大きくなるため、強度が高い。また、振動や騒音を抑えることができる。

このような特徴から、自動車の最終減速装置(デファレンシャル)などに用いられる。

<ゼロールかさ歯車>

<ゼロールかさ歯車>

(3)食い違い軸歯車

食い違い軸歯車とは、2軸が平行でなく、交差もしない状態、つまり2軸が食い違っているところに用いられる歯車である。構造および、幾何学的特性は、前述した円筒歯車や、かさ歯車よりも複雑であり、加工も難しい。

ねじ歯車とは、はすば歯車のねじれ角の異なったものや、同じねじれ方向のものを組み合わせた歯車のことである。したがって、1対の歯車の1つ1つは、はすば歯車である。それぞれの、歯すじの、ねじれ方向を適当に選定することにより、軸角を自由に設定することができる。また1対の理論接触状態は点接触で行われ、すべり速度が高い。このため、負荷特性が悪い。

ただし、適切な歯当たりによって摩耗した場合には、線接触となるため、いくらか負荷特性を向上させることができる。また、軸角が小さい場合にも、歯すじ方向のすべりが小さくなるため、負荷特性を向上させることができる。このため、歯車の組み立て精度や軸角によっては、比較的大きな荷重を伝達させることも可能である。

しかし現状では、コスト等の問題により、低荷重の動力伝達や、単に運動伝達にしか用いられていない。

ハイポイドギヤとは、食い違い軸で円錐または、円錐に近い形状をもつ歯車である。かさ歯車に似ているが、前述のように食い違い軸、つまり軸同士が交わらないことが特徴である。

かさ歯車と比較した時、減速比および大歯車(2対のうち、直径の大きな方の歯車)の直径が同じである場合、ハイポイドギヤの方が、小歯車の寸法を大きくすることができる。小歯車の寸法を、大きくすることの利点は、シャフトの径を大きくすることができ、伝達動力を高めることができる点である。

また、歯のかみ合いにおいて、歯すじ方向のすべりが大きいため、熱の発生が高く、また効率もかさ歯車に比べて低い。しかし、振動や騒音を低く抑えることができる。こうした特徴から、主に自動車の最終減速装置に用いられる。

最近では、ハイポイド油という特殊な潤滑油が開発され、高負荷、高速運転が可能であるため、特に後輪駆動の自動車には不可欠な歯車である。具体的には、デファレンシャルに用いられている。

ウォームギヤとは、ウォームとウォームホイールからなる歯車対の総称である。小さな容積の歯車で、大きな減速比を得ることができる。

この歯車は、歯すじ方向のすべりが大きいため、効率は他の歯車に比べ低く、熱の発生が高い。しかし、振動や騒音が低い。また、ウォームホイールからウォームへの伝動ができない。これをセルフロックという。
この作用を応用して、自動車のパワーウインドウや、チェーンブロックに用いられている。

おわりに

いかがでしたか?

歯車には長い歴史と、それに伴い多くの用途に合わせたたくさん種類があります。これを機に、歯車について知りたいと思ってもらえますと幸いです。

(横浜国立大学フォーミュラプロジェクト 駆動設計担当)

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