エンジンの仕組みを知るための、シリンダー配列による性能の違いとは?

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エンジンの仕組みを知るための、シリンダー配列による性能の違いとは?

みなさんはエンジンの仕組み・原理を知っていますか?
ただ車に乗るだけならば、それらを知らなくても問題ありませんが、基礎的なエンジンの仕組みをある程度理解しておくことは、日々のメンテナンスやトラブル発生時にきっと役立つでしょう。

直列4気筒エンジン

直列4気筒エンジン

エンジンの仕組みや用語については、
・エンジンの構造やシステム、用語の理解を深める1~エンジンの話(6)、
https://www.hai-sya.com/column/engine_system6.html
・内燃機関の仕組み~ガソリンエンジンとディーゼルエンジン~、
https://www.hai-sya.com/column/internal_combustion_engine_univ004.html
において、詳しく説明されていますので、本記事ではエンジンのシリンダー配列による性能の違いに焦点をあてて解説していきたいと思います。

◇1: エンジンのシリンダー数と配列

エンジン形式をあらわすものとして、点火方式、作動方式、バルブやカムの配置・種類などがありますが、本体の構造を示すものにシリンダーの数と配列があります。

最も基本的なシリンダーの配列は、直列エンジンです。
軽自動車には直列3気筒が採用されていますが、一般的な車では直列4気筒が最も多く採用されています。
さらに排気量が大きくなると直列5気筒、直列6気筒やV型6気筒、V型8気筒、V型10気筒、V型12気筒などがあります。
また水平対向やW型エンジンなどがあります。
水平対向はスバルとポルシェが採用していることで有名です。
メリットとしては全高を低くして、重心を下げられること、デメリットとしては整備性の悪さがあげられます。

□ シリンダー数

シリンダー1つのエンジンが単気筒エンジン、2気筒、3気筒、・・・と続きます。
2気筒以上になると、シリンダー配列は直列、V型、水平対向とW型などに分かれます。

限られたシリンダー数で排気量を増やすためには、シリンダーの直径を大きくするか、ストロークを長くする必要があります。
直径が大きくなると、火炎の伝播が遅れ、完全燃焼が行われない部分が出てきます。
また直径が大きくなることにより、関係する部品も大きくなりコスト増となります。
そこで排気量を大きくするためには、シリンダー数を増やす必要があるのです。

シリンダー数が少ないほど部品点数が少なくなるので、コストダウンにつながることや、構造が単純になり整備性がよくなることがメリットですが、振動を抑えることが難しくなります。

シリンダー数が多いほど振動を抑えることができるので、エンジンの回転が滑らかになります。
しかし、部品点数が多くなるのでコスト増や整備性が悪くなってしまいます。
シリンダー数が多いほどシリンダー内部の表面積も増えるので、燃焼熱が逃げやすくなります。

以上のことを考慮し、搭載する車の排気量に適切なシリンダー数が採用されます。

□ シリンダー配列

現在の乗用車で採用されている代表的な配列として“直列エンジン”と“V型エンジン”があげられます。
直列エンジンはシリンダーを一直線に配置したものです。
4気筒が最も多いですが、軽自動車には3気筒、およそ2.5L以上のエンジンには5気筒や6気筒もあります。
直列6気筒はエンジンサイズが大きくなり、搭載性が悪くなりますが、振動が少なく非常にスムーズな回転を得られます。

V型エンジンはシリンダーをV字状になるよう2列に配置したものです。
6気筒や8気筒が多いです。
さらに大排気量の車には10気筒や12気筒のものが搭載されます。
V型は直列に比べて、コンパクトになるため縦でも横でも搭載できることがメリットです。
大排気量の多気筒エンジンは縦に置かれます。

また他には、シリンダーを水平に配置した水平対向エンジンや、一本のクランクシャフトに対しシリンダーをW字状に配置したW型エンジンがあります。

◇2: 気筒数と配置の種類

排気量を大きくするためにはシリンダー数を増やさなければいけません。
しかし直列にシリンダーを並べるとエンジンが大きくなってしまいます。
そこでエンジンをコンパクトにするため、シリンダーを2列に並べるなどの工夫がなされています。

さてそれぞれの配列にどのような工夫が施されているのでしょうか。
各シリンダー配列について詳しく解説していきます。

□ 直列3気筒

軽自動車に採用されている、シリンダーを直列に3本並べた配列です。
軽自動車の大きさを考慮すると、気筒数の多いエンジンは幅が大きくなるため搭載することが困難となります。
そこで2気筒と3気筒のエンジンが考えられます。
3気筒は2気筒より滑らかな回転が得られるため最適な選択といえます。

多くの直列3気筒エンジンのクランクピンは120°ごとに配置されているため、回転バランスがとても良いです。
点火順序は1→3→2で点火間隔は240°となります。

このエンジンは横おきで搭載されます。
基本的にはほぼ直立に搭載されますが、エンジンルーム内の搭載スペース効率を考慮して、傾けて搭載されることもあります。

直列3気筒エンジン(スズキ・カプチーノ)

直列3気筒エンジン(スズキ・カプチーノ)

□ 直列4気筒

一般車に最も普及している、シリンダーを4本直列に並べた配列です。
後輪駆動用の縦置きでも、前輪駆動用の横置きでも使うことができます。

クランクピンは180°ごとに配置されています。
点火順序は1→3→4→2または1→2→4→3で、クランクシャフトが180°回転するごとに1気筒ずつ爆発します。
ここで直列4気筒において問題となるのが2次振動です。
2次振動とは上下運動するピストンスピードに変化があらわれ、クランクシャフト回転数の2倍の周波数を発生する振動です。
直列4気筒の2次振動は、コンロッドの傾きにより1、4と2、3のピストンスピードが異なるために起こります。
クランクシャフト回転数の2倍で逆回転するバランスシャフトを組み込むことでこの2次振動を打ち消すことができます。

直列4気筒エンジン(ホンダ・シビック)

直列4気筒エンジン(ホンダ・シビック)

□ 直列6気筒

シリンダーを6個直列に並べた配列です。
BMWなどの高級車に採用されているイメージです。
直列に6気筒並べるため、クランクシャフトの剛性やエンジンの幅が大きくなることで搭載スペースが限られることなどがデメリットですが、スムーズな回転フィーリングが持ち味のエンジンです。

クランクピンは120°ごとに配置され、バランスが非常に良いです。2つのピンが上死点にあるときは他の2つのピンは120°の位置に、もう2つのピンは240°の位置にあります。
点火順序は1→5→3→6→2→4で、爆発間隔は120°のため、ピストンの慣性力と偶力が互いのシリンダーで打ち消しあい1次振動だけでなく2次振動も打ち消すことができます。
このように振動特性に非常に優れているため、理想的なエンジンといえます。

エンジン幅が大きくなるため、基本的には縦置きされますが、ボルボは横置きを採用しています。

直列6気筒エンジン(BMW・325i)

直列6気筒エンジン(BMW・325i)

□ V型6気筒

6本のシリンダーを3本ずつ左右交互に、1本のクランクシャフトに対してV字型に並べた配列です。
国産車ではクラウンやスカイラインに搭載されているエンジンです。

直列エンジンに比べると、左右にヘッドが分かれ、複雑な機構となることがデメリットです。
一方、直列6気筒と比べるとクランクシャフトが短いため剛性が高くなることやシリンダーブロックのコンパクトさがメリットです。

バンク角は60°と90°などがありますが、60°のものが多いです。
これは90°に比べ全幅を狭くでき、コンパクトになるからです。
向かいあうコンロッドはクランクピンを共有せず、それぞれが60°ずつオフセットされたピンに結合されます。
点火間隔は120で、点火順序は1→2→3→4→5→6となります。

このエンジンはコンパクトなので、縦置きでも横置きでもどちらでも使うことができます。

V型6気筒エンジン(日産・GT-R)

V型6気筒エンジン(日産・GT-R)

□ V型8気筒

8本のシリンダーを4本ずつ左右交互に、1本のクランクシャフトに対してV字型に並べた配列です。
つまり直列4気筒を向かい合わせたような構造のため、エンジン全長はほぼ直列4気筒と同じです。

V型6気筒と同じく、クランクシャフトを短くできるため、剛性が高く滑らかな回転を得られます。
バンク角は90°のものが多いです。
向かい合うコンロッドはクランクピンを共有します。爆発間隔は90°となります。

□ V型12気筒

12本のシリンダーを6本ずつ左右交互に、1本のクランクシャフトに対してV字型に並べた配列です。
つまり直列6気筒を向かい合わせたような構造のため、エンジン全長はほぼ直列6気筒と同じです。
大排気量車に適した配列といえます。

バンク角は60°です。
向かいあうコンロッドがクランクピンを共有します。
爆発間隔は60°ごとです。
直列6気筒以上に振動が少なく、滑らかな回転です。
点火順序は1→4→9→8→5→2→11→10→3→6→7→12です。

□ 水平対向4気筒

2気筒ずつを水平に向かい合わせた配列です。
この水平対向を採用しているメーカーはスバルとポルシェです。

メリットはエンジン全高が低いため、重心を低くできることです。
また左右のバランスがよく全長も短いです。
しかし、左右にシリンダーヘッドを持つため全幅が広くなり、プラグ交換など、整備性が悪くなります。

クランクピンは180°ごとに配置され、直列4気筒と同じですが、向かい合うピストンが互いの慣性力を打ち消すため、振動が少ないです。

このエンジンは縦置きで使用されます。

水平対向4気筒エンジン(スバル・レガシィB4)

水平対向4気筒エンジン(スバル・レガシィB4)

□ 水平対向6気筒

3気筒ずつを水平に向かい合わせた配列です。

点火間隔は120°で、それぞれのピストンが互いの慣性力を打ち消すため、振動の少ない滑らかな回転が得られます。

水平対向6気筒エンジン(スバル・レガシィ ランカスター)

水平対向6気筒エンジン(スバル・レガシィ ランカスター)

◇3: まとめ

いろいろなエンジンのシリンダー配列について解説してきました。
また今回の記事では紹介できませんでしたが、W型エンジンを採用しているメーカーもあります。
各メーカーはそれぞれの車の排気量や大きさに合わせて、最も適した配列が採用しています。

みなさんの乗っているエンジンのシリンダー配列は何でしょうか?
この記事を読んで、少しでも車のこと、エンジンのことに興味をもっていただけたら幸いです。

(執筆:広島大学体育会自動車部)

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