北大自動車部的ジムカーナ・ランクアップ法

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北大自動車部的ジムカーナ・ランクアップ法

今回は「ジムカーナを始めたけどなかなか上達しない!参考書を読んでもいまいちピンとこない!」というような方に、北大自動車部ではどのようなジムカーナ練習をしているのかをご紹介します。
自動車部では免許を取るところから始まり、練習を始めて1年後、早いと半年以内で地区戦において戦えるレベルにまで上達するので(人や車によりますが)、自動車部の練習法はそれほど間違ったものではないのだと信じています。
とは言え、一人一人練習の仕方は違いますし、僕自身FR乗りのためFRに偏った練習法かもしれません。また部活なので少しハードです。北海道でのシーズン中の4月から11月の中でも、6月・8月・10月には週二で一回に4時間以上練習します。そんな北大自動車部的練習法で、皆さんのレベルUPの手助けになれば幸いです。

後輪駆動のFC3Sを激走させる筆者

後輪駆動のFC3Sを激走させる筆者

他のコラムでも紹介されていますが、簡単にジムカーナの紹介をします。ジムカーナとは決められたコースを、一人のドライバーが2回走りその2回の内、速い方のタイムで他のドライバーと順位を競う競技です。もちろん使用車両でクラス別けされています。比較的低速で安全であり、非常に奥は深いのですがモータースポーツを始めるのには敷居が低い競技です。少なくとも、サーキットを百数十キロでコーナーに進入してタイヤを引っかけて全損になるような競技ではありません(笑)
今乗っている車でやるもよし、バリバリの競技車でやるもよし、個性的な車でやるもよし(これは結構盛り上がります)、なのです。ただ、強い人たちと渡り合おうとすると、競技パーツの数が多い車種が無難ですね。競技パーツ全てをワンオフ製作するのも夢がありますが、最初は皆と同じような車種で始めるのが良いです。

ライン取り、1と2を抜けるのにも複数の考え方がある

ライン取り、1と2を抜けるのにも複数の考え方がある

ジムカーナの深みにはまっていくと必要になってくるのが、ドライビングテクニックと車づくり(セッティング)です。車づくりについては、テクニックに準じた物になりますし、資金的にも上を見ればキリがなくなりますので、今回は割愛して北大自動車部でのジムカーナ練習を取り上げます。

基本的に、「誰よりも奥でブレーキングし、誰よりも速くコーナーを駆け抜け、誰よりも早く立ち上がる走り」が一番速いと信じています。それはつまり、「タイヤの滑り出す限界でコーナーを走る」ことに他なりません。それが出来るようになるための練習を日々しています。どれだけ練習してもついつい速度を落としすぎてしまったり、突っ込みすぎてスピンしてしまったりします。

~ステップ1:猿走り~
自動車部では練習始めたての部員はとりあえず何も考えずコースを何回もガンガン走ります。これを猿走りと呼んでいます。この時期はタイムがどんどん縮んでいきとても楽しいものですが、猿走りをする意味合いとして車の動かし方に慣れること、つまりステアリング+アクセル+ブレーキを作動させた場合に、どのような応答があるのか、どんな車の挙動をするのかを知ることが重要です。
このとき最初からグリップ力の高いタイヤで走る必要はありません。なぜなら、グリップの高いタイヤはなかなか限界に到達しないため、まだ限界に達していないのにドライバーが満足してしまう可能性があるからです。むしろ街乗り+αくらいのタイヤや安いアジアンタイヤで始めるのがオススメですね。
この猿走り期に“ヒール&トゥ”や“スラローム”“サイドターン”といったジムカーナやモータースポーツ必須のテクニックも一緒に鍛えていきます。従い猿走りするコースにバランスよくそのようなセクションを含めておく必要があり、例をあげるなら、左右の低・中速コーナー、スラローム、左右のサイドターンが入ったコースを考えると良い練習が可能です。もっとも、鍛えていくといってもそれらのテクニックはこの時点では形になっていれさえすれば良いと思います。
この猿走り期の一番の目標は先に述べた通り、車の動きに慣れてタイヤの限界を使った走りができるようになることです。部員を見ているとこの時期の走り方には2通りあります。「130%の走りを100%に近づけていく方法」と「70%の走りを100%に近づけていく方法」です。
130%というのは限界を超えてスピンしてしまうような「やりすぎ」、70%というのはついつい速度を落としすぎるような「ビビり」のことです。僕は完全に前者でした。攻めないと楽しくないんですもの。また愛車がRX-7と言う後輪駆動車ということもあり、FRはやりすぎると素直に挙動に現れるため改善すべき箇所が明らかになり前者との相性が良かったのです。例えば、コーナーの立ち上がりで踏みすぎてリアが流れてしまったので次は少し押さえていこう、と考えて試行錯誤しながら走っていました。

これを続けていくと、そのうち割と安定して走れるようになります。タイムもそれに準じて安定してきます。こうなってきたら何も考えず走る時期はそろそろ終わりにしましょう。なぜなら、そのまま猿走りを続けてもタイムが伸びずあまり意味が無くなってきます。
このガンガン走る時期は僕の場合は結構長かった気がします。平均週一で二ヶ月くらい…?覚えていないです。楽しかったな~というのとタイヤをたくさん消費したことだけ覚えています。

~ステップ2:ラインとシフト~
ステップ1の猿走りでのタイムが安定してくるとは、つまりタイムが縮められなくなってくるということです。しかし本当はまだまだ秒単位で縮めることが可能なのです。
そこで次に取り組むべきポイントが、
「走るラインをガラッと変えてみる」
「シフトアップ・ダウンの箇所を変えてみる」
の、2点を意識することです。
まず前者ですが、ジムカーナ、特にパイロンジムカーナはラインの自由度が半端じゃないです。かなりのパターンが存在します。違うラインで走ってもタイムが変わらないこともかなり多いです。現に上手な人たちの中でも人によってラインが全く異なることもあります。しかし目に見えて変わることもあるのです。
まず一つ目は、ブレーキング時、つまりコーナー進入のラインです。「なんかよく挙動が乱れるなぁ…」みたいなコーナーは、進入ラインを見直せばタイムが上がります。ブレーキングのときは横Gがたまりすぎているとリアが出やすいので、できるだけ直線的にブレーキングするラインで走ると素直にフルブレーキングできますし、無駄なリスクを負わずに済みます。
二つ目は立ち上がり、つまりコーナー出口のラインや、コーナーとコーナーの間のラインです。これはコースにもよるので試行錯誤するしかないですが、「立ち上がりたいのにアンダーが出て踏んでいけない…」みたいなコースは、前回と違うラインを試して、車の挙動を観察していると無駄な動きのない動きで、コーナー間をスッと立ち上がれるラインが見つかるでしょう!良いラインをとると断然走りやすくなり、タイムも変わってきます。
更に、最短距離で走って曲がる「距離重視」か、大きく回ってスピードを保って曲がる「ボトムスピード重視」か、というような選択をすることも考えられるようになります。この二つの選択はどちらが最適になるかは、コーナー出口の次のコーナーによって違ってくるので、一概にどちらの選択が最良かは、コース設定の全体を考える必要があります。

赤いラインが「距離重視」。緑のラインが「ボトムスピード重視」

赤いラインが「距離重視」。緑のラインが「ボトムスピード重視」

このコーナーひとつを見れば、どっちのラインでもそれほどの差は出ないはずです。しかしこのコーナーの後に直線が続くのであればスピード重視で行った方が速いですし、コーナーが続くのであれば距離重視の方が有利なはずです。しかも進入や出口での車の向いている方向も全然違うので前後のコーナーとの兼ね合いで走りやすい方を選ぶということもできます。
更に、長い一つのコーナーを二つの短いコーナーに分けて考えて走ってみるという方法もあります。
と、だんだん奥が深くなってめまいがしてきたのでラインについてはこの辺でおわりにしましょう。走行ラインは無限に考えられますが、自分の車と走りに合ったラインで、よりタイムが縮めることが出来た、走りやすく無駄の無いラインを見つけるためには、試行錯誤するしかありません。

次に、「シフトアップ・ダウンの箇所」を変えることについて書きます。これに関してはギア比が車によって異なるため、同じコースでも車によってシフトアップのタイミングや何速で走るかなどが変わってきます。タイムに関わってくるのは「なんかここでシフト操作が忙しいな…」という場所や「ここでシフトアップ(orダウン)すると挙動が乱れる!」という場所などです。
このような場所はシフトワークを見直すと走りやすくなります。更に「今まで一速で走っていたけど次のコーナーまで微妙に届かないし…」そんなコーナーは早めにシフトアップして二速で走ってみたり、「逆に二速で走ってるけどもっさりしてるなぁ…」という場合はコーナーの手前で一速に落としてみたりすると、車のギア比とコーナーがピッタリとするタイミングがあります。基本的にシフトチェンジの回数は少なめにした方が無難で走りやすいです。最適なのはエンジンを高回転域で維持して、パワーバンド呼ばれる、エンジン回転に対して一番エンジン出力が望める回転域を維持させるのがベーターでしょう。もっともパワーバンドばかりを意識するのではなく、シフトのタイミングは走行ラインの影響も受けるので、シフトとラインの試行錯誤は同時に試していくことが必要です。

~ステップ3:攻める!~
上述のステップ2と同時にしなければならないことがあります。それは、やりすぎてみることです。走りが安定してきたこの時点で、大体の場合100%の走りは出せていません。更に良くないのが、ドライバー本人がそのことに気付かないことが多いことです。勝手に限界だと思い込むのです。僕も先輩に「ここはもっと攻められるんじゃない?」といわれて初めて気付いたりしていました。ここで意識的に100%以上を引き出していくことで結構良いタイムが出るようになってきます。ここでやりすぎることで走りが安定しなくなるので、走りとタイムが安定するまで走り込みます。さて、ステップ1の猿走りと同じ練習に戻ったことに気付きましたか?
しかし、猿走りの頃と違い、考えて攻めるようになっているので、何度か繰り返しているとかなり磨きがかかってきます。

【なぜここまで攻めるのかというと、攻めないと勝てるはずがないのはもちろんですが、自然とブレーキを残せるようになるためです。コーナーの進入時、つまりハンドルの切り始めはブレーキを若干残すことで、前荷重がよりかかって車がシュッと曲がっていくのです。これがきちんとできるようになるとタイムが秒単位で変わってきます。余裕が出てきたら意識的にブレーキを残してみましょう。】

ブレーキをF荷重とし残し、Fタイヤの性能を最大に生かす

ブレーキをF荷重とし残し、Fタイヤの性能を最大に生かす

~ステップ4:基本テクニック~
さてこの辺で、序盤にとりあえず形にしたサイドターンとスラローム、ヒール&トゥを見直す時がやってきました。
まずサイドターンは基本が大切です。何度も基本に立ち返って練習しないと、ついついロックしなかったり、カウンターを当ててしまったりします。
サイドターンの基本は、
①:サイドターンができるスピードまで減速する
②:ブレーキを少しフロント荷重に残しながらハンドルを切る
③:十分に横Gがたまったらサイドを引きリアタイヤーをロックさせる
④:横Gのかかった車台後方が滑りながら旋回を始めたら、アクセル開度を調節する
⑤:出口の方向より少し早めに滑らすのを終わらせて。コーナーの立ち上がりに備える
駆動方式によってサイドターンのアクセルワークは違いますが、上記の部分は一緒です。ポイントとしては、パイロンへの進入は下図の緑色のラインのように外側から回り込むように入ることが重要です。なぜなら下図の赤いラインのように、パイロンへの進入が近すぎると、ターンが出来なかったり、パイロンの奥に行き過ぎてから、ターンをしたりしてタイムロスにつながるからです。

パイロンへの進入角度を考えてタイムアップにつなげる

パイロンへの進入角度を考えてタイムアップにつなげる

駆動方式は前輪駆動(FF)、後輪駆動(FR)、全輪駆動(AWD/4WD)と三種類ありますが、後輪駆動(FR)は割とターンのコントロールが可能です。なぜならサイドブレーキでリアタイヤーをロックさせて滑り始めるのは、ターンのきっかけでしかなく、回っているときはアクセルワークだけで旋回をコントロールが可能です。
全輪駆動(AWD)の場合は、ロックさせた後、前後のLSD(Limited Slip Differential)の力でスピンさせるのに近いアクセル開度を必要としますし、前輪駆動(FF)の場合は、より深くターンさせるにはリアをロックで滑らせ続けるか、ハンドルをより切り込んでフロントタイヤーを巻き込むようにアクセル開度を上げなくてはなりません。そう言った事も考えると、後輪駆動(FR)はさまざまなシチュエーションで車の挙動を学ぶのには適していると言えますね。

後輪駆動のアクセルワークの練習は定常円をすると感覚が研ぎ澄まされます。定常円といってもドリフトでやるようなフルカウンターを当てるデカい定常円ではなく、回る方向と同じ方向にハンドルを一周くらい回したままパイロンの周りを、可能な限り近くで延々と回り続ける定常円です。パイロンと車の距離をずっと一定でできれば、それがサイドターン中のアクセルワークです。

次にスラロームです。
①:並ぶパイロン達に対して可能な限り平行に進入する
②:二本目のパイロン横を目指して減速してゆく
③:ハンドルを切ってパイロンを抜けつつ
④:ハンドルを戻しながらアクセルを踏む
⑤:アクセルオフしてハンドルを切ってパイロンを抜ける
④~⑤を繰り返して、立ち上がっていくのが基本です。
競技では、スラロームコースの入りや終わりがサイドターンになるパターンもよく見ますが、スラロームとサイドターンは切り離してそれぞれ段取り通りやれば大丈夫です。①の並行的に進入することはコースレイアウト的に出来ないことも有りますが、最初の入りでミスってキツくなると、その後すべてのターンがキツくなるので、スラロームは最初の入りが肝心です。
またスラロームはリズミカルにハンドルを切っていくと上手くターン出来ます。ジムカーナを始めたての頃はスラロームのハンドル回しが遅い選手が多いので、停車状態でハンドルをロックするまで左右に回すなどの特訓をするとライバルに差を付けられるでしょう!

次はヒール&トゥです。次の二点に気を付けてひたすら練習あるのみです。意外と適当でも出来ちゃったりします(笑)。普段の街乗りでも実施すれば、乗り心地も良くなる利点もあります。
①:右足つま先にて、一定の力でブレーキを踏む → 右足かかとでアクセル開度を上げる
  (※アクセル踏んだ時に、ブレーキ踏力が変わらないようにする)
②:クラッチをつないだ時に、シフトダウンしたギア比とエンジン回転数が合致する

ヒール&トゥしながら、車台の挙動が乱れずにフルブレーキングできれば完璧です。

これら基本テクニックの練習方法として、例えば「今日のコースの、“スラロームからサイドターンするところ”が出来ない!」となったならば、コース全体を走るのではなく抜き出してポイントを絞ると良く、その上手く攻める事が出来なかったコーナーの前後だけ何回も練習しましょう。

さて、そろそろ本コラムを読んで頂いている皆さんは、疑問を感じているかもしれません。。。
「ジムカーナは2本しか走れないのにこんな風に走り込んでいるだけじゃダメじゃないの?」と。
しかし、これは他のスポーツと同じで、走ってナンボなのです。自動車という道具を使用しているとはいえ、ドライバーの力量が如実に差となって出るので練習量は大事です。僕も1日50本とか走っていた時期もありました。
感覚の研ぎ澄まされてくると、練習で色々なコースを走り込んだ成果から、本番のコースを実際に走ったことがなくとも完熟歩行しているだけでどう走れば良いのかが分かってくるのです。実際シフトアップのタイミングや走るラインなども見えてきます。練習で鍛えられるのは、あらゆる場面においてどのように走ればタイヤを限界まで使えるのかを身体が覚えてゆきます。
ある著名な野球選手の名言で「試合中に何も意識しなくても身体が動くように、単調な練習でも意識して練習するのだ」と言うのがあります。まさにジムカーナも、自動車競技として練習に勝る上達方法は無いでしょう。

最後に、練習は必ず複数人でやりましょう。比較的安全な競技とは言え、事故やケガをする事もある可能性は否定できませんし、なにより練習相手とタイムを競ると、どんどんタイムが伸びていきます。やる気も一人のときとは比べ物になりません。モーターランド等の走り放題DAYなどで走りに行けば、自分よりもはるかに上手い人の走りも見られますし、仲良くなればアドバイスを頂くこともあったり、横に乗せてもらえたりします。そのように人と関わっていくことで自分の走りの視野も広がってゆきます。そう言った点では、大学自動車部は最高な場所だと自負しています。
このコラムを読んでジムカーナを始めようかなと感じたり、走りの参考にしていただいたりすれば、幸いです。
以上

(執筆:北海道大学体育会 自動車部)

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