自動車に欠かせない陰の立役者!タイミングベルトについて
自動車を動かす上でなくてはならない部品、それがタイミングベルトと呼ばれるものです。車検時にタイミングベルトを交換した方が良いと言われたことはありませんか?これが切れてしまうと大変なことになるのですが、存在すら知らない人が結構多いと言います。
ここでは、タイミングベルトとはどのようなものか見ていくことにしましょう。
タイミングベルトはエンジンの吸気と排気をその名のごとく「どのタイミングで行うか」を司るパーツです。エンジンでは、ガソリンを燃焼させるため、常にキレイな空気を必要としています。それを吸ってきれいな空気を取り込み、その空気で燃焼、汚れた空気をマフラーへ流して排気を行っているのです。
吸排気のタイミングが崩れると不完全燃焼を起こして具合が悪くなったり、最悪の場合はエンジンがストップしたりしてしまいます。そのエンジンの重要なタイミングを調整しているためタイミングベルトと呼ばれているのです。
役割的にもとても重要なものになっていることもあり、カバー等がかぶさっていて、表からは見えないようになっていることがほとんどです。
タイミングベルトの位置関係
赤矢印のカバー下にタイミングベルトがある
エンジンルームを開けると、大きな幅を取っているエンジンが目に留まります。自分の自動車のエンジンルームを開けると、エンジンのすぐ近くでベルトが1〜数本見つかるでしょう。しかし、これはタイミングベルトではありません。
ファンベルトとかエアコンベルト、オルタネーターベルトなどと呼ばれるものです。それぞれがエンジンを動かすのに、あるいはエアコンを作動させるのに必要とされています。これらは主にゴムを中心にできており、長い間使っていると伸びてしまったり、最悪の場合は劣化して切れてしまったりします。
費用は工賃も入れて数千円程度から交換が可能で、目に見える分、そして異音を発することがあるので、交換をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
数本のベルト類
エンジンルームの中
ベルトは通常「プーリー」と呼ばれる歯車や滑車のようなものにからんで回っています。
タイミングベルトの場合、吸気と排気に関係のあるカムプーリー(タイミングプーリー)とオルタネーターやパワステポンプなどの補機類を動かすクランクプーリーがからみます。そして、その間にはエンジンの冷却水の流れを調整するためのウォーターポンプがはさまり回っているのです。
この構造を見ているとわかるのは、エンジンが司っている構造のメインの大半をこのタイミングベルトがカバーしているということです。つまり、タイミングベルトが切れてしまうことは、エンジンが機能しなくなることを意味しており、大変恐ろしいことになるというのが分かります。
タイミングベルトの交換サイクルは、およそ10万キロに1回と言われています。多くの方は10万キロが近くなると車を手放すことも多いため、存在を知らない人が多いのです。ただし、基本は交換の必要がないタイミングベルトも存在します。それは、チェーンタイプのベルトです。
これは、タイミングチェーンと呼ばれるもので、自転車のチェーンにも利用されているローラーチェーンが使われています。当初は音もうるさくて性能も悪かったのですが、近年の技術向上により丈夫で長持ちするタイプが開発されました。一部の車種に適用されています。
ベルト自体は3000円程度とかなり安価なものですが、技術的な料金がとても高いのがネックですが、それだけ技術を要する交換なのです。その頃には前述のウォーターポンプや周辺のパーツにも劣化が見られるので、まとめて交換している人が多くなっています。
最終的な金額としては、6万円〜10万円程度の費用(部品代込み)を見ておくといいでしょう。
10万円も交換費用に払えない!という人もいます。また、「切れてから交換する」という人もいるのですが、万が一走行中に切れたらどうなるのでしょうか。
まず、当然ながら、タイミングベルトが司っているプーリーが回らなくなります。また、オルタネーター類も回らなくなるでしょう。エンジンの吸気、排気は機能しなくなり、最後はエンジンストップとなるでしょう。それだけで済めばまだいいほうで、場合によってはエンジン内のアイテムに損傷が出る可能性もあります。
救援に費用がかかる他、エンジン内のアイテム修理が加わるため、修理をしなかったがための出費は思いもよらないものになるでしょう。愛車を長く乗りたいと考えるのであれば、時期がやってきたら必ず交換することをお勧めします。
メンテナンスノートには交換時期が記載してある
メーカー推奨の交換時期が記載してある
ベルト類は突然切れてしまいます。目に見えるものであれば、表面が驚くほど荒れていたり、点検などですぐに分かったりすることもあるでしょう。しかし、タイミングベルトはすぐに見ることができないため、その異変に気付かないことが多いと言われています。
はっきりとした見分け方は難しいですが、エンジンからキュルキュルといったベルトが滑っている音が聞こえてくるようであれば要チェックです。ただし、これは外から見えるファンベルト類でも多く発生するため、先にファンベルト類のチェックが行われます。
その後でタイミングベルトが疑われることも多いので、発見に時間がかかることもあります。どちらにしても、ある程度10万キロに近くなってきたら、エンジンの異変には常に気をつけておく必要があるでしょう。
愛車に長く乗り続けるためには、日常チェックが大切だといいます。自動車の状態が良好な時を知っておくと、不具合が発生した時の状態、微妙な前兆にも気付きやすくなるのです。メーカー発行の保証書を兼ねる事が多いメンテナンスノートには、推奨される交換時期や交換距離が記載してあります。自分の愛車の消耗部品の交換時期を一読する事もオススメ致します。
また、トラブル発生後の交換は、余計な費用や時間がかかってしまいますし、周りに迷惑をかけることもあります。タイミングベルトに限らず、異変気づいたらすぐにチェックをして、必要に応じたメンテナンスを行うようにしましょう。
パーツやメタル資源として再利用し国内外に販売!
車解体の資格を持つ廃車.comの工場と直取引だから高く買取れる。
すでに払った31,600円の自動車税も返ってくる。
(4月に廃車/1,600cc普通自動車)