私がTURBOに求むこと!(ターボ車と、NA車)

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私がTURBOに求むこと!(ターボ車と、NA車)

始めまして、今回からコラム執筆をさせていただきます、岐阜大学自動車部です。 大学の自動車部という立場を活かして、車に関するコラムを書いていこうと思いますので、以後よろしくお願いします。

前置きはさておき、今回はターボとNAというコラムテーマを頂きましたので、それに合わせて同じ過給器であるスーパーチャージャー(以下S/C)の話題も合わせて、話そうと思います。

さて、構造がどうだ、メリットはどうだなんて話題は、知っている方も多いですし、五万と書いてある書籍やサイトがあるので割愛します。

個人的な雑感といいますか、思うことに焦点を当ててそれをひたすら書いていこうと思います。 また、車でスポーツすることを前提とした部活ですので、スポーツするうえでの話題が中心になっていくと思います。

インテーク側からみた、TURBO(ターボ)

インテーク側からみた、TURBO(ターボ)

排気側からみた、TURBO(ターボ)

排気側からみた、TURBO(ターボ)

そもそもなんですが、ターボなりS/Cなりで過給されるとパワーが出るのはなぜか考えたことありますでしょうか?
まず前提として、エンジンはガソリンと空気が混ざった、混合気が燃焼(というか爆発)することによってエネルギーを得ています。
爆発力が高くなれば得られるパワーも多くなる。
だからパワーを上げるには燃料を多く燃やせば良いのですね。

しかしながら、ガソリンが燃焼するには空気が必要となり、その空気との割合がとても重要です。
空気との割合は空燃比と呼ばれていますが、もっとも効率の良い燃焼をする空燃比はガソリン1に対して、空気14.7が理想とされています。

ですので、燃料を燃やすには空気量を多くしないと燃えないのですね。
そこで出てくるのが過給器です。
過給器で過給することによって、自然に入る空気量よりも多い空気を入れることが可能です。
そしてその分燃料を多く燃やせる→パワーが出ると。

燃料を燃やせば燃やすほどパワーというのは上がるので、パワーがある車は(パワーを出す→より多く踏むと)燃費が悪くなるというのは、どうにも覆せない物理現象なのですね。

そしてNA、自然吸気でパワーを上げるというのは、回転数を上げる、すなわち吸入空気量を多くするしか方法がありません。
ですので、俗にいう 高回転ユニット!等書いてあるスポーツエンジンは、言葉を返せばパワーを出すために高回転にせざるを得ないのです。
さてこの高回転化も限界があり、部品自体の強度であったり、吸入空気量の限界であったり、理由は様々ですが、量産市販の乗用車エンジンだと8000rpmも回れば高回転といえるのではないでしょうか。

ちなみにエンジン開発の自由度が高かった3LのNA時代のF1エンジンは3000㏄から800馬力以上を発生させていました。
エンジン回転数は、上限が設定される前で20000rpmを超えていたと言われています。

しかしながら、20000rpmまで馬力は付いてこず、ギア比の関係でそこまで回していたようです。
馬力のついてこない理由は、燃料の燃焼速度より、ピストンスピードのほうが速くなったためだとか。
燃料が燃えてピストンを押す前にピストンが下がってしまうわけですね。

いやはや、技術というものは凄いものです。
ちなみにですが、最大回転数で言えば、ラジコン用2ストロークエンジンにF1エンジンをさらに上回る30000rpm以上回るものが市販されているので、興味がある方は調べてみてはいかがでしょうか。

さて話は戻り、ターボとS/C(スーパーチャージャー)。
両社ともに過給器となり、より多くの空気を取り入れる装置です。

ターボは排気のエネルギーを利用して空気を取り入れ、S/Cはエンジン自体の動力を利用して空気を取り入れるわけですね。

さてこのS/C、市販車への採用が増えたり減ったりを繰り返していますが、いろいろとメリットデメリットがありまして。

まず根本としてS/Cを動かすのにエンジン自体の動力を使うわけです。
ということは、当然そこでせっかく出した馬力を奪われるわけです。
S/C自体の容量にもよりますが、例えば700psを発生するとあるアメ車のS/C付きエンジン、S/Cを駆動させるだけで60psほどの馬力が必要だとか。

出ている馬力がかなりのものなので、それなりにエネルギーが必要なのは当然とはいえ、60ps。 軽自動車1台分のパワーを使ってS/Cを回しているわけです。

そしてもう一つ。S/C自体の回転数上限の問題が付きまとうこと。
エンジンと繋がっているので、エンジンを回せば回すほどS/Cの回転も上がっていくんですが、当然S/Cの回転数にも上限はあります。

ターボのブースト圧には上限がある

ターボのブースト圧には上限がある

S/Cの種類にもよりますが、例えば最近アフターチューニングパーツとして多い遠心式のS/C。
排気で過給する普通のターボ用タービンの、排気側をプーリーにしてエンジンに繋げたような外観です。
このタイプのS/Cの回転上限は7万rpmとか10万rpmとか、小さいものだと14万rpmまで回せるものもあります。
だから遠心式の場合ですと基本的にエンジン回転から増速させてS/Cを回します。

例えば低回転域でのトルクがほしい、低回転域で過給圧を高めようとして低回転域でよく回るようなプーリー比に設定しようとしても、今度は高回転域でS/Cの回転上限を超えてしまうわけです。

ですので、得られる過給圧は、エンジン回転数に依存するという物理的制約が付きまとうわけですね。

S/Cの回転上限をレブに設定するしかない

S/Cの回転上限をレブに設定するしかない

遠心式S/Cは高回転での詰まり感が少なく、NAエンジンのように回せば回すほどパワーが出るリニアなパワーフィールと称されます。
しかしこれは裏を返せば、回転数と過給圧が直結するので、物理的に”そうなってしまう”という言い方もできます。

ここからは個人的な感想になるんですけどね。
S/Cというのは高回転エンジンには根本的に向いてなくて、レブリミットの低いエンジンにこそマッチングが良いのではないかなと。
元から低回転でのトルクが厚い大排気量の低回転ユニットに取り付け、全域でトルクアップさせ狭いゾーンの回転数を幅広く使うのが賢いのではないのかなと。

最近のダウンサイジングエンジンも、初期はS/Cが多く使われていたものの、今ではターボのほうが増えていますしね。

そこで思い出されるのが、アメ車のV8エンジン。
4Lだ5Lだ、時には7Lだの、下からトルクの出るエンジンにS/Cを付けることによって、上まで回らないけど下から使えるエンジンに仕上げて、重い車体を引っ張る。
またV型エンジンであれば、Vバンク内にS/Cを配置することができるので、ユニットとしてのエンジン自体の寸法が増えることもない。

アメリカンV8S/Cエンジンはある種の完成形だと思います。
以上、感想終わり。

エンジン回転数の上限(レブ・リミット)と、S/Cの回転数上限が同じとすると低回転エンジンの方が分厚くブースト圧を使うことができる

エンジン回転数の上限(レブ・リミット)と、S/Cの回転数上限が同じとすると
低回転エンジンの方が分厚くブースト圧を使うことができる

さて、デメリットばかりあげてみましたが当然メリットもあります。
ターボと違って、ターボラグがないというのはご存知の通り。

また排気パートに関してはNAエンジンと同じというメリットも大きいです。
例えばV型エンジンにシングルターボとした場合、はたしてタービンをどこに置くのか、エキマニの取り回しは、などレイアウトに頭を抱えることになります。

ツインターボにして、それぞれのバンクを独立して考えるというのも手です。
が、ツインターボによる重量増などのコスト増も付きまといます。

さてお次はターボです。
S/Cと違い、エンジンが回り始めてからタービンが回り過給が始まるという構造上、どうしても踏んでからパワーが得られるまでにラグが出ます。
しかしながら下からブースト圧が得られる、S/Cに比べ構造がシンプルなのでコストが低く、過給器としてS/Cよりも一般的です。

ターボラグといえど、NA分のパワーは出る

ターボラグといえど、NA分のパワーは出る

ダウンサイジングエンジンも今やターボ一辺倒です。
さて、このダウンサイジングエンジンですが、そのターボラグをひたすら減らそうといろいろな試みがされています。

まず手始めにエンジン自体の高圧縮化。
考え方は単純ですね。NAエンジンとして優れたものをまず作る。
それにターボを組み合わせることで吸気をアシストしてあげる、といったイメージです。
ターボラグとはいえ、アクセルを踏んでブーストがかかるまでの間、一切パワーが出ないわけではありません。
ブーストがかかってない、NAエンジンとしての反応は当然得られるわけです。

この領域の底上げをすることで、ブーストがかかってからの差を減らそうという考え方です。

いわゆるバブル期の「パワー!パワー!パワー!」だったターボエンジンの圧縮比と比べると、2ポイント近く最近のエンジンは高圧縮化されています。
それこそ、一昔前のNAエンジンの圧縮比と変わらない程度に。

またレイアウトも一昔前のターボエンジンと大きく変わっています。

例えば水冷インタークーラー。圧縮され温度の上がった空気を冷やすためのインタークーラーですが、空冷インタークーラーですと、エンジンの上やバンパーのすぐ後ろにあるイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

しかしながら、今どきの最新エンジンは水冷インタークーラーが多く採用されています。
メリットは吸気レイアウトの自由度の高さです。

空冷式のインタークーラーですと、風の良く当たる場所にインタークーラーを配置し、そこまで吸気を導かなければいけません。
そうすると、自ずと吸気レイアウトは長くなり、エンジンレスポンスではマイナスです。

しかし水冷インタークーラーだと、極端な話、タービンから吸気バルブまで最短ルートで繋ぎ、その間にインタークーラーを配置することができます。

わかりやすい例として最新のV型ターボエンジンを見ると一目でわかります。

以前のV型ターボエンジンというのは、Vバンク内のエンジン真ん中側から吸気してVバンクの外、エンジン外側への排気というレイアウトが基本でした。
しかし最新のV型エンジンはというと、Vバンク内への排気、そしてバンク内にタービンを配置させ、エンジン前方を通しながら吸気バルブへと導きます。
その通り道に水冷インタークーラーを配置させるわけです。

水冷インタークーラーによるコスト上昇というデメリットはあるのでしょうが、それ以上に得られるものが多いのでしょう。
最新の過給器エンジンへの採用は多いです。

このVバンク内にタービンを配置というレイアウト、上でお話ししたアメリカンV8S/Cと同じですね。
これは車体側の要求で、エンジン自体をコンパクトにするという目的があってのことだと思います。

ちなみに、ターボラグの解消といえば皆さんご存知、ミスファイアリングシステム。
今ではアンチラグシステムというのが通称なので、こちらで呼ぶことをオススメします。

このシステムは、ざっくり言えばアクセルをオフにしている時に、エンジンを回さないようにガソリンを爆発させて、タービンを常に回してあげようというシステムです。
レーシングカーに使われる通り、効果はとてもあるのですが、踏んでないときでもガソリンを吹くので燃費の悪化であったり、タービン付近で爆発させるので耐久性への問題であったり、市販車ターボラグの解消には、まったくもって向いておりません。

ここからはまたしても個人的な雑感

ターボラグの解消であれば、ハイブリッドシステムとの併用ができないのかなと思っております。
モーターで加速をアシストするハイブリッドシステム。これを利用して、ブーストがかからない領域はモーターでアシスト、そしてブーストがかかってからはタービン任せ、といった感じに。

制御面で、モーターからタービンへの切り替わり点をいかにスムーズにするのか、アクセルの入れ方が一定ではないので、そこでの違和感の解消等、いろいろ問題はあるとは思いますが・・・。
まあ、私程度が考えることは、もっと前に偉い人が考えていて、実際に研究もして、それでも現実に出てきてないのは、それでメリットがなかったり、現実味がなかったりして出てこないのでしょうけれど・・・。

以上、雑感終わり。

また電気ターボというのも定期的に話題に出てきます。

タービンを直接モーターで回すことによってターボラグを解消しようという考え方です。
しかしながら、S/Cの話でも出たように、コンプレッサーを回すというのは多大なエネルギーが必要です。
その電力の確保、またタービンというのは非常に高温になるので、そこでの信頼性等々。 まだ課題は多いようです。

しかしながら研究は多くされているので、電動ターボ等で検索すれば非常に多くの情報が出てきます。
ご興味ある方は検索されてはいかがでしょうか。

また、直接タービンを回す電動ターボではなく、モーターで圧縮空気を作り、それでタービンを回すことによってターボラグを解消、という方式も研究されているようです。

ハイブリッドや水素、完全EVが増えてきている昨今。
しかしながらやはり内燃機関はまだまだ健在で、どのメーカーも内燃機関を向上させる研究が盛んです。
これからもどんどん新しい技術が出ていくので、技術的に楽しめるのではないでしょうか。

しかしながら、しかしながらですよ?
今までの話をざっくりと切り捨てますが、個人的にダウンサイジングエンジンというのは好きになれません。
やはり!大排気量!そしてモアパワー!これこそが楽しさの一番ではないでしょうか。

ランボルギーニ社は宣言を出しております。
”わが社はCO2排出規制など守る気はない”と。

とは言いつつも、現代の車であり、現代の法規制の中で販売されている車です。
現在の基準に則したエンジンにはしています。
しかしながら、CO2排出量削減よりも大事なことがある、というランボルギーニ車の姿勢。
これこそ評価するべき事だと思います。

そんなにもクリーンな乗り物が必要ならば自転車に乗ればいいのです。
モーターで動くことによって、排ガスが一切出ない車であっても、製造過程や運搬過程がある以上、地球環境の話題とは無縁ではないのです。

いつの時代も、車とは家電製品ではなく、それ以上に心揺さぶるものであってほしいものです。

(岐阜大学・自動車部:執筆)

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