義務化になったシートベルトについて

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義務化になったシートベルトについて

こんにちは、岐阜大学自動車部です。
今日の世の中では、交通事故は絶え間なく起こっています。
交通事故総合分析センターによると、平成28年度中の交通事故発生状況は、発生件数は49万9232件、死者数は3904件に達しています。
そんな世の中で、快適かつ安全に自動車を運転するためには必須の部品である“シートベルト”について論述していこうと思います。

一般的なシートベルト

▲一般的なシートベルト

シートベルトは衝撃時や急激な減速時に乗員を保護するもので、腰の両側と肩で固定する3点式が主流です。
衝突時の衝撃に耐えられるように、張力に強いポリエステルでつくられることが多く、ある程度の勢いで引くとロックする機能が付いています。

まず、シートベルトの歴史について説明します。
シートベルトが開発されたきっかけとして、1899年にイギリスのロンドンで、自動車事故により乗員2人が外に放り出され死亡したことがきっかけとなったといわれています。

日本では1969年にすべての新車に必ず運転席にシートベルトを取り付ける法律が発令されました。

1971年には高速自動車道・自動車専用道を走行するときは、運転席のシートベルトの着用が義務である法律が発令されましたが、一般道でのシートベルトの着用の義務はありませんでした。

後の、1984年には一般道でもシートベルトの着用の義務、着用しなかった場合の免許減点の罰則の法律が検討されました。

1985年には高速自動車道・自動車専用道で運転手はシートベルトを着用していなかったら免許の点数が減点1という法律ができました。

1987年には一般道で運転席と助手席同乗者が、高速道路で助手席同乗者がシートベルトを着用していなかったら免許の点数が減点1という法律ができました。

2005年には乗用車の運転席でシートベルトを閉めずに走り出すと警告音をだすように義務づけました。

2008年には、シートベルト着用の義務化がなされましたが、後部座席、妊婦を除いてのシートベルト着用の義務化でした。

このような経路をたどって今ではシートベルト着用は当たり前のこととなっています。

タングの写真

▲タングの写真

バックルの写真

▲バックルの写真

ここで、シートベルトの各部の名称について説明します。
「ベルトアセンブリ」
…ストラップ、固定用バックル、リトラクター(ベルト巻き取り装置)、アンカレッジ(車体からの取り付け具)の一切の装置。
いわゆるシートベルトの全体を指します。

「ストラップ(ウェビング)」
…いわゆるシートベルトのベルトの部分。

「ラップストラップ(腰ベルト)」
…着用者の骨盤を固定するため、腰部を横切るベルト。
通常、2点式シートベルトといった場合、このシートベルトのみで構成されます

「ショルダーストラップ(ダイアゴナルベルト)」
…着用者の胸部を肩から腰にかけて斜めに固定するベルト。
通常3点式シートベルトといった場合、このベルトとラップストラップを組み合わせたものを示します。

「クロッチストラップ」
…着用者の股部分を固定するベルト。
ハーネスベルトやチャイルドシートの追加装備として用いられています。

「バックル」
…着用者をベルトにより固定、解放することができる装置。

「リフレクター」
…ストラップ(ウェビング)の一部、又は全体を巻取ることで収納できる装置。

他にも名称があると思いますが、簡潔にここまでの名称を説明することとします。

次に、シートベルトの安全構造として代表的な2つの構造について説明します。
「プリテンショナー」
…衝撃を感知すると同時にベルトを強く巻き込んでシートのほうへ乗っている人を引き込む役割をしています。
ガスの爆発力や、バネの機械式等でベルトを瞬時に巻き取る装置は、SRSエアバック類とされています。
リフレクター側で引っ張るものと、腰側でベルトを巻き取るもの(ラッププリテンショナーという)があります。

「ロードリミッター」
…フォースリミッターとも言います。
プリテンショナーで一旦強く巻き取られたベルトを少しずつ緩めることで、締め上げられた胸部の圧迫を緩和する役割をしています。

黄色の丸印部分がリフレクター

黄色の丸印部分がリフレクター

黄色いコネクター先が、プリテンショナー

黄色いコネクター先が、プリテンショナー

プリテンショナー一体型のリフレクター

プリテンショナー一体型のリフレクター

取外したリフレクター

取外したリフレクター

また、シートベルトがロックする仕組みを説明していきます。
シートベルトを急に引き出そうとすると“カチャ”っと引き出せなくなる、アレです。
実はベルトを巻き取る装置であるリフレクターの内部に、ボールセンサーという銀色の玉がはいっています。
ベルトを引き出されるスピードや、自動車の前進・後退によって物理の法則で慣性が働き、銀色の玉が前に進み、それが歯止めのツメ(アクチュエータという)を押し上げます。
その押し上げられたアクチュエータがロックするための歯(ロックギアという)をかみ、ベルトが引き出されるのを止めます。
これがシートベルトをロックする仕組みとなっています。

シートベルトがロックする仕組み

シートベルトがロックする仕組み

銀玉が動きツメがロックギアを固定する

銀玉が動きツメがロックギアを固定する

さらに、前文で述べたように、シートベルトは衝撃時の衝撃に耐えられるように張力に強いポリエステルでつくられているといいましたが、詳しく述べると、シートベルトのベルトの部分はウェビングと呼ばれ、約300本のポリエステル製の糸を細かく織り込んで、一本ベルトを作っています。
これだけの多くのポリエステル製の糸を織り込むことでベルトの強度を高め、約3トンの荷重にも耐えられるようになっています。

シートベルトの歴史、構造、役割を説明してきましたが、事故を減らし、安全に運転するためにも、交通のルールというものも必要であります。

そこで、警察庁によると、平成20年6月から後部座席であっても一般道路に関わらず、 シートベルトの着用が義務付けられました。
違反した場合のことを述べると、
 高速道路走行時:減点1点/反則金なし
 一般道路走行時:口頭注意/反則金なし
(助手席、運転席は一般道路であっても減点1点)
となっています。

反則金はなく、一般道路であれば口頭注意で済むため、あまり運転手もシートベルトの義務性を感じにくいと考える。
しかし、そもそも何故シートベルトを義務付けたのかというと、シートベルトを着けていない時に事故した場合による、自分自身への大きな被害、慣性力による乗員の車外放出、後部座席の乗員による前席同乗者への被害などを防ぐために法律として義務付けたのです。
義務付けたことにより、効果として、警察庁のシートベルト着用状況全国調査結果(2016)によると、
 一般道路
 運転席    :98.5%
 助手席同乗者 :94.9%
 後部座席同乗者:36.0%
 高速道路
 運転手    :99.5%
 助手席同乗者 :98.0%
 後部座席同乗者:71.8%
となっています。

後部座席同乗者のシートベルト着用状況のみに焦点をあてると、一般道路では、 2007年では8.8%の装着率でしたが、2008年のシートベルト着用の義務化により、2016年では36.0%になりました。
高速道路では、2007年では13.5%の装着率でしたが、2008年のシートベルト着用の義務化により、2016年では71.8%になりました。
ここから、シートベルト着用の義務化により、運転手が意識してシートベルトを着用させるようになってきていることがわかります。

しかし、まだ、運転手でさえ100%でないので、今後の規制や運転手のシートベルトの着用の意欲の向上により、100%を実現できることを願っています。
また、自動車事故による乗員の死者数を、シートベルトを着用している人と着用していない人と分け、前年と比較すると、 特に非着用死者が減少(前年比が-47人で、パーセントになおすと-7.8%)しています。
しかし、シートベルトの非着用死者の構成率を座席位置別にみると、後部座席が69.1%とほかの座席に比べて高くなっており、ここから、後部座席のシートベルトの義務化がいかに重要であるかがわかります。
さらに、自動車事故による乗員の死者数のうち、シートベルト非着用者が車外放出になった場合は、着用者の0.8%に対して、21倍の16.6%となっています。
これを座席位置別にみると、運転席:14.3倍、助手席:18.6倍となっています。
ほかに、後部座席では、シートベルト着用者は、車外放出はされておらず、シートベルトの着用によって車外に放出される危険性が低くなっています。ここからも、後部座席のシートベルトの義務化の重要性がわかります。

ここまでシートベルトを説明してきましたが、シートベルトには、2点式、3点式、4点式、5点式というように種類があります。

「2点式」
…ベルトが伸びて、それを止める部分が1か所、ベルトをロックする部分の根本が1か所というように2か所で固定しているシートベルトをいいます。
昔は2点式シートベルトが主流ですが、今では一般自動車は3点式シートベルトが普及しており、2点式シートベルトは後部座席の真ん中、航空機、高速路線のバスなどに用いられています。

「3点式」
…ドアの下のほうに1か所、ベルトが伸びる部分の上の部分が1か所、ベルトをロックする部分の根本が1か所の3か所で固定しているシートベルトをいいます。
一般自動車の大半がこの3点式シートベルトを装備されています。

三点式シートベルト

▲三点式シートベルト

「4点式、5点式以上」
…レース用のフルハーネスシートベルトを言います。
レースは公道よりもハイスピードで荷重が大きく、事故にあってもドライバーをしっかり適切に守ってくれます。

このように種類がありますが、なぜ3点式シートベルトが最も普及したかというと、簡単に説明すれば、2点式シートベルトの場合だと、事故にあった際、腹部への負担が大きいからであります。
4点式、5点式以上のフルハーネスシートベルトの場合だと、前かがみになって路地の先を確認することが困難であり、またバックで駐車する時にたいしても邪魔になり、運転手を代わる際にも、シートベルトやシートの調節を細かく行う必要が発生し、とても不便であるからです。
そのうえで、レースではこれらのように視野の悪い路地や、バックで駐車することはないため、ドライバーを守ることに重点をおいたシートベルトが一番合っているのです。
このようにして、取り外しや多少の動作ができ、またドライバーもしっかり守ることができる3点式シートベルトが一番普及していったことがわかります。

早朝の横転事故。シートベルト着用を!

早朝の横転事故。シートベルト着用を!

シートベルトに対して説明してきましたが、シートベルトのみでは完全には死亡事故を防ぎきることはできません。
ここで、エアバックといったものができ、エアバックはいわば、3点式シートベルトの補佐をしている装置です。
現在では、事故自体を防ぐため、自動運転や自動ブレーキシステムなど開発されていますが、日々の安全運転が一番事故を防ぐことができると考えます。
みなさんもシートベルトやエアバックなどを完全に信じるのではなく、事前に事故を防ぐ努力を心掛けて下さい。

(執筆:岐阜大学自動車部)

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